失敗しない老人ホーム探しのポイント:入居目的を確認する
- 2019.07.01
- 施設の選び方
入居目的を確認する
老人ホームの入居を検討する際に、まずは入居する目的を確認することが大切です。
老人ホームは、ホームによってコンセプトを掲げていることが多く、いわゆるホームの『強み』が何かというのを把握する必要があります。老人ホームのコンセプト=強みと入居目的が一致するホームに入居することで、ホームに入居してから充実した生活を送ることが可能になります。
しかしながら、このポイントを無視して、「家から近い」「値段が安い」「ホームが綺麗」という視点だけでホームの選定をしていまうと入居後に後悔してしまう可能性が高まります。入居目的とは、入居を検討している方が「ホームに入居してから何を望むか」ということです。
目的は人それぞれですが、一例を挙げますと、「食事」「リハビリ」「入浴」「趣味活動」「医療」「交流」などがあります。たとえば、このような目的に優先順位をつけて、なるべくその目的に力を入れているホームを探すことが大切となります。
目的別に気をつけたいポイントについて説明します。
食事
老人ホームは、基本的に朝・昼・夕の3食をホーム内の厨房で調理します。食事は自社のグループ会社で提供しているホームと外部委託により提供しているホームに分かれます。なかには、主食や副菜などの食事を選べるホームもあり、食事の好き嫌いが多い方は、食事が選べると満足度が高まるかもしれません。
また、口腔内の噛み合わせや疾患により、一口サイズ・刻み食・ペースト食・腎臓病食・糖尿病食などの食事形態をどこまで対応出来るかを事前にホームに確認しておくことが大切です。
食事をする場所は基本的には職員による見守りが出来る共有スペースとなります。誤嚥などの事故防止のため個室で召し上がれるホームは少ないです。
また、食事の開始時間はホームによって様々ですが、ある程度時間を設けて自由な時間に食事が出来るホームもあります。食事が自分で摂取出来ない場合には介護職員による食事介助が必要となるため、食事介助を行える充分な職員配置がなされているか(※人員配置基準については後日説明します)、食事介助をする時に他の入居者とのプライバシーが守られているか確認することが大切です。
見学時に食事を提供しているホームも多く、特に食事の質を重視する方は、見学の際に食事を実際に召し上がってみて、食事の味や食事中のご入居者の雰囲気を確認してみることをお勧めします。
◎食事を選択出来る施設
リハビリテーション
老人ホームの入居を考えている方の多くが、入居後は日中から寝る時間が多かったり、体を動かす時間が少なくて筋力が低下してしまうのではないかと不安を抱えています。
中長期による病院での入院生活により筋力が低下してしまった方やご自身で歩行することが困難な方、ご自分の意思で体を動かすことができない方、意欲が低下している方は筋力低下が著しいため、リハビリに力を入れている老人ホームへの入居を検討することをお勧めします。
多くの介護付有料老人ホームでは日中帯にラジオ体操や口腔体操が行われます。それ以外のリハビリはホームの体制によって差がでてきます。たとえば、理学療法士や作業療法士が常駐している老人ホームはリハビリに力を入れており、週に1〜2回程、個別に機能訓練を行い、計画と評価を行ってくれることがあります。
また、母体が大きい会社の場合は、理学療法士や作業療法士が月に1〜2回程度、老人ホームをラウンドして個別に機能訓練を行うことがあります。
リハビリマシーンを設置している老人ホームもありますので、見学の際にチェックしておくと良いでしょう。老人ホームは基本的には日常生活を営む施設であるため、リハビリを主体とするリハビリテーション病院と違って毎日個別にリハビリを行うことは難しいのが実情です。
老人ホームの体操・リハビリだけでは満足出来ない場合には、医療保険を利用して訪問マッサージを利用していく方法もあります。
◎作業療法士等が常駐している施設
入浴
入浴は身体の清潔を保持するために欠かすことが出来ません。介護付有料老人ホームは、介護保険法で「自ら入浴が困難な利用者について、一週間に2回以上、適切な方法により、入浴させ、又は清拭しなければならない」とあり、多くの老人ホームでは週2回と定めています。
一部のホームでは週3回以上の入浴が可能な施設もあり、入浴がお好きな方は事前にホームに確認しておくことをお勧めします。
介護付有料老人ホームの浴槽は複数人で一緒に入れるタイプから個人で入れるタイプまでホームによって様々です。また、何らかの原因により一般浴槽の入浴が困難な方は、機械浴槽がホーム内に設置してあるか確認しておくことが大切です。
現在は一般浴槽に入浴が出来ていても将来的に身体機能の低下などにより一般浴槽に入浴が出来なくなることが考えられます。せっかく老人ホームの環境に慣れてきたのに機械浴槽の設備が整っていないために、機械浴槽の設置してある他のホームに移らなくてはならないケースもありますので、将来的なことも考えて設備を確認しておくことが重要です。
◎複数のタイプの機会浴槽を設置している施設
レクリエーション
老人ホームに入居はしたけれど、日中に何もすることがなくて何も考えずに一日が過ぎてしまっては脳への刺激もなく物忘れが進行したり、意欲の低下につながりかねません。
日中に出来るだけ活動に参加して気分転換を図りメリハリのある生活を送って、昼夜逆転しないで自然な流れで夜にぐっすりと眠れることが大切です。
自宅では趣味活動が億劫になってやることがなくなってしまった方でも、周りの人がやっているからやってみようという気持ちになり、昔を思い出して熱中されるケースもあります。また、趣味活動を通して他のご利用者様と仲良くなり日常生活が充実してくることもあります。
老人ホームでは日中にどのようなレクリエーションやイベントが行われているか確認することが大切です。ホームでは掲示板にイベント時の写真が掲示されていたり、アルバムに写真をまとめてあることがあります。
また、イベントのカレンダーを配布して、その月にどのようなレクリエーションやイベントが行われるのかを一目で分かるようにしているホームもあります。そのようなツールからホームではどのようなレクリエーションやイベントが行われているのかを知り、どれくらいの頻度で実施されているのかを確認されることをお勧めします。また、趣味活動にご興味がある方が老人ホームにご見学に行かれる際は、その時間に合わせて見学をされると雰囲気が分かるので、事前にホームの共有スペースで趣味活動が行われている日時を確認してから見学することをお勧めします。
医療
介護付有料老人ホームでは、月2回程ホームで往診してもらうことになります。基本的には老人ホームが提携しているクリニックと契約して、そのクリニックの往診医に診てもらうことになります。
ただし、ホームと提携していないクリニックで他にご希望のクリニックがある場合には、そのクリニックの往診医に診て頂けるケースもありますので入居前にホームに確認してみて下さい。
また、お薬は入居時に薬局と契約して、処方された薬をホームに運んでもらいます。往診医のクリニックと契約することにより24時間365日、体に何か異変があった時には看護師を通して状態を確認してもらうことが可能になります。また必要な時には臨時往診により先生に診ていただくことができます。
往診のクリニック以外に定期通院・検査を行わなければならない病院がある場合には、老人ホームの往診とは別に通院・検査が可能です。老人ホームによっては、提携している病院などは無料送迎をしてくれたり、職員が無料で同行してくれるホームもありますが、多くの老人ホームでは病院への同伴はご家族等の対応が必要です。
ご家族等が病院へ同伴することが難しい場合には、別途有料でホームの職員に依頼することが出来ますが、念の為、入居前にホームに確認しておくと良いでしょう。
また、介護付有料老人ホームには看護師が勤務しております。看護師は日中の時間帯に勤務しているホームが多く、24時間常駐しているホームは少ないです。日中の時間帯にのみ看護師が勤務しているホームでは、夜間帯に何か体に異変があった時に夜勤の介護スタッフから看護師へ電話がつながる体制を整えていることが多く、看護師では判断が難しい時は往診医に連絡をとれるような体制をとっているホームが多いです。
看護師が24時間365日常駐しているホームは、昼夜を問わず、お体のご様子や変化に対して注意深く見守ることができます。夜間帯に看護師がいるメリットは、夜間の痰吸引、点滴、経管栄養、胃ろうの方や終末期のお看取り介護を希望される方に対して安心かつ柔軟な対応が出来ることが挙げられます。ただし、看護師が24時間配置になると老人ホームの入居者の平均介護度が全体的にやや高くなる印象を受けます。また、24時間看護師が常駐していても、上記の経管栄養やお看取りに対応していないホームもありますので入居前にご確認ください。
入居前にお看取りまで対応出来るか、経管栄養等どこまで対応出来るかをホーム側で示していることが多いため、ホームのパンフレットや見学時に確認しておくことが大切です。
◎看護師が24時間常駐しているホーム
交流
ホームの入居者や職員との交流により気分転換を図ることが出来ます。どんな人がホームに住んでいるのか、他の人と仲良くなれるのかと不安を抱える方は多いと思われます。
介護付き有料老人ホームは、ホームによって個室部屋と共同部屋の2つのタイプに分かれます。ほとんどのホームは個室になるため、他者との交流を図る場合には、ホームの共有スペースや他の入居者のお部屋に行って交流を図ることになります。
前述しました「趣味活動」を通して仲良くなるケースも多く、たとえば麻雀、編み物、習字、カラオケなど共通の趣味があると他者との交流が図りやすいです。
無理をして交流を図る必要がない方は、居室内やホーム内の共有スペースでお過ごし頂くことが出来ます。
職員の人員体制が手厚い場合や各フロアに職員が常駐している場合には、職員と入居者のコミュニケーションは図りやすい環境といえます。逆に、職員の人員体制に余裕がなく、各フロアに職員がほとんどいない環境ではなかなかコミュニケーションを図ることは難しいです。
このようなポイントはパンフレットからだけでは得られない情報なので、見学や体験を通して確認しておくことをお勧めします。
ケアリサーチでは、介護・福祉の国家資格を持った相談員が入居相談に関して分かりやすく親切丁寧にご説明させて頂きます。日本全国にお住まいの方を対象に無料相談に応じております。施設の資料請求・見学同行・無料送迎等のご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
ケアリサーチ
電話:0120ー468ー222
(営業時間9:00〜18:00)
メールでのお問い合わせはこちら